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「お前たちは包囲されている。直ちに武器を捨てて投降しなさーいっ!!」
武器を捨てて投降しなさーいっ――……。
投降しなさーいっ――……。
なさーいっ――……。
自分でもとんでもなくうるさいと思える声。
それが渓谷ということもあり、反響する、反響する。
すると思った通り、『巨窟ゴリアテ』からモンスターが出てきた。
ずっしりとした体格の豚顔モンスター。
多分オークだろう。その耳を押さえるオーク達の大半は『勇者の大音響』によって致命的な音響外傷を負ったのか、足はふらふらだった。
数が少ないように思えるが、屋内で天に召されたのがたくさんいたのかもしれない。
俺は目一杯息を吸う。
そして、これで最後だと言わんばかりに、声を放出した。
「YOU、社会人? 俺は勇者でえええええええええええすっ!!!」
200dBを優に超えていると思われる絶叫が、渓谷を通り抜ける。
立って耐えてやろうという気概のあるオークは一体もいなかった。
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