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首をかしげる俺はその疑問はさて置き、「そういえば……」と上半身を上げる。
「カルロッテのやつ絶対戻ってこいって言ってたけど、それっていつだよ。……やっておきたいゲームもあるし、5日後くらいでいいか」
「いや、遅すぎだ。明日には『ドワフリア』に戻ってもらうぞ。ところでベッドの下のこの本はなんだ? 女性がやけに胸を強調しているけど」
「エロ本に決まってんだろ。聞くまでもな………………え?」
俺は声のしたほう、ベッドの下を覗く。
カルロッテが、『俺の幼馴染がとんでもなく淫乱だった件』を「うんしょ、うんしょ」と引っ張り出していた。
今にもページを開こうとしているカルロッテ。
俺は慌てて彼女をつまみ上げると言った。
「なんでいるんだよっ!? え? なんでなんでっ!?」
「後ろから付いてきたのだ。かなめのいるチキューという星に興味があってな。別にいいだろ、どうせ戻るんだしな。さ、エロ本とやらの続きを見るか。降ろすのだ、かなめ」
「ダメだ。あれは女性が読むと目が腐る呪いの書物だからやめておけ」
俺は足で『俺の幼馴染がとんでもなく淫乱な件』を蹴って、ベッドの下に押し入れる。
「そうなのか? なら止めたほうがよさそうだな」
「ああ。……しっかし、まさか逆異世界転移してくるとはな」
俺はカルロッテを机に立たせると、ベッドに座る。
疲労はあるものの、眠気は完全に吹き飛んでいた。
――さて、どうしたものかね。
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