第1章

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落ちている血で血だまりが出来ていた。  その血だまりを見て、今までの爽快感の理由が判明した。 彼と夕食に行った後、一緒に彼の部屋に向かった。部屋の中で、話していると彼が鏡越しに右眼を閉じながら、今は浮気していないと言った所までは覚えている。 気付いたら手に持った包丁で彼を突き刺していた。日頃の鬱憤が爆発したのだろう。もちろん、反撃をされ、亡くなる間際に腹部を刺されたのは痛かったが。 警察官に連行される。 もうこんな爽快感は二度と味わえないんだと落胆しながら、血の足跡を残し、エレベーターから外へと出て行った。 何故か脳裏に鏡越しに右眼を閉じていた彼の表情が浮かんで、すぐに消えた。
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