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「やべっ…もう、こんな時間か……。」
時計を見ると、6時半だった。夕食作んねぇとな…。そういえば、そのまま朝食作らないでヤったから朝食も昼食もとってねぇな。梓がせっかく切ってくれた野菜も使わないと……。ベッドから起き上がり、服を着て台所に行く。野菜炒めでも作ろう…。俺は、調理を始めた。10分も経たないで完成した。
「……これだけじゃ寂しいかな?他、何作ろう?」冷蔵庫の中を探していると、背後から誰かに首を絞められた。
「うっ……!」
必死に逃げようとするが、相手の力が強くて離れられない。
「大人しくしろ…そうしないと殺すぞ。」
「……っ!?」
聞き慣れない声。誰かも全く検討がつかたなかった。
「お前は…誰だっ……!?」
「最近ここら辺で有名の、殺人鬼だ。」
そんな…殺人鬼!?殺される…!?恐怖のあまり、体が震える。
「怯えるな。すぐには殺さねぇよ。」
「…そういえばお前……一体どうやって中に……?」
「鍵…かかってなかったからなぁ。不用心だねー。まぁ、それはともかく…殺されたくなければ大人しくしてろ。いいな?」
「……分かった。」
俺はリビングに連れてかれ、全身拘束される。
「お前…一人暮らしか?」
「……あぁ、そうだけど。」
寝室は、ここからあまり近くないし…大丈夫だよな…?梓を巻き込むわけにはいかない。そんな思いが強く、俺は嘘をついた。
「そうか。お前は…教師か?」
「あぁ…近くの高校の数学教師だ。」
「へぇー、それはご立派なことなことで。」
「……んっ!?」
口をガムテープで塞がれる。
「一応、声も出せないように塞ぐぜ?」
どうしよう…本当にどうしよう……もし、梓が起きてきたら…終わりだ……。
「さてと、どうしようかなー?」
ニヤニヤしながらこちらを見ている。気持ち悪い……。すると、殺人鬼の男は俺の下腹部を蹴る。
「……っ!」
「ははっ…いい顔。」
男は、何度も何度も…俺の顔や腹部を殴ったり蹴ったりする。口を塞がれていて、息が上手く出来ない。俺…このまま殺されるんだろうな……。もっと梓と一緒にいたかったな…。あいつを…幸せにしたかった。気づけば、俺の目頭は熱くなっていた。
「おいおい、これだけでもう泣くのかよ。」
「…っ……ふ…」
男が俺の顔に触れた時、カツンと音がした。何の音……?後ろを見ると、恐怖で満ちた顔をして震えている梓が、携帯を落として青ざめていた。
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