第4章 特別

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梓side 謎の笑い声と、鈍い音が聞こえて…俺は起き上がった。 「…っ、痛……」 腰が痛んだ。けど、謎の笑い声と鈍い音の正体を知るために部屋を出て、リビングに音を立てないように歩く。そっと、リビングを覗くと謎の男と、手足拘束されてる城崎先生がいた。 「……!」 やばい…警察呼ばないと……。俺は、また寝室に戻って警察に電話をした。 「もしもし、こちら〇〇警察です。」 「あ…あの…実は、見知らぬ男の人が現れて……一緒に同棲している人が…拘束されているんです。助けに来てください…」 「分かりました。では、住所を教えてください。」 「はい…えっと……」 ビクビクしながらも何とか事情を説明して、こちらへ来るように頼んだ。そうだ…城崎先生を助けにいかないと……。また、リビングの近くで様子を見ていると城崎先生が泣いていた。……え?あまりに驚いて携帯を床に落としてしまった。カツンと音を出してしまった。 「あ?まだ1人いるじゃねぇか。」 「ん…んんっ……!!」 男の人に見つかり、城崎先生には鋭い目で見られ…凄く怖かった。 「…え……え…?」 「おめぇーも捕まえてやる!」 「や…やだ……」 俺は、急いで携帯を拾い寝室に向かって走った。男も追いかけてきてる。まずいっ……!寝室に入って鍵を閉める。幸いにも、寝室に鍵があったので助かった。外からドンドンッと強い音が聞こえる。 「おい!てめぇ、出てこい!ぶっ殺してやる!!」 「……っ!」 やだ…殺されたくない……お願い…早く、警察の人達来て……!怖い…怖いよ……。しばらく怯えてると外から声が聞こえた。 「見つけたぞ、連続殺人犯!お前を逮捕する!」 「なっ!警察!?何でだ!?」 叫びながら、男の人の声は遠ざかっていった。俺は鍵を開け、寝室を出て城崎先生の元に向かった。すると、警察の人が城崎先生の近くにいた。 「あ、君だね?電話してくれたの。」 「…は、はい……」 「おかげで連続殺人犯を捕まえることが出来たよ、ありがとう。それで…話は変わるんだけど……この人は、君と同棲している人かい?」 「そう…です……。それもあるんですけど、俺の学校の先生…です。」 「……そっか。あのね、こういうの理解したくないとは思うんだけど聞いてほしい。」 「…何ですか?」 「彼の体…全身麻痺しているんだよね。」
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