第6章 監禁

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梓side 目が覚めると、景色が真っ黒だった。手足も拘束されていて、一体どうなっているのか分からない。助けを呼ぼうにも、口元をガムテープで塞がれていて呼ぶことが出来ない。どうしよう……。すると、ドアの開く音がした。 「そろそろ目覚ましたか?」 声からして男の人っぽかった。そして、辺りが急に明るくなった。そして、目の前にいた男は、あの時警察署で俺と話した警察官だった。 「よぉ、維網君。やっと目覚ましたみてぇだな。」 「……」 俺はその警察官を睨んだ。そして拘束されてる手と足を解こうとする。 「そんなのやっても無駄だぞ?ほら、さっさと何か喋ろ。」 そう言って、彼は俺の口元についてるガムテープを思いっきりとった。凄く痛かった…。けどそんなことは気にせず、俺は怒りを彼にぶつける。 「何なんですか、ここは!それに、手も足も拘束してるし!あなたは一体何がしたいんですか!?早く家に帰らせてください!!」 「ちっ、うるせぇーなー」 「……っ!」 思いっきりみぞおちを蹴られた。 「っが……はぁっ…はぁっ……」 ゆっくり息を整えるが、腹の痛みが激しい…。 「どうした?何とか言えよ、なぁ?」 「……」 「おい、聞いてんのか?」 そう言って、次は顔を殴られる。かなり強烈だ。歯がとれるかと思うくらい。 「家に…帰らせてください……」 それが、今精一杯言える言葉だった。 「嫌だね。っていうか、君に帰る家なんてないだろう?」 「……あり…ます…。」 「どうせ、城崎の家のことだろ?あいつの家なんか、お前の家じゃねぇ。いいか?今日からここが、お前の家だよ。存分に可愛がってあげるからね。」 「違う…俺はっ……!」 そう言いかけた時、突然、俺の体が暗く鈍色に染まっていく感覚がした。あぁ、そうだ。俺の家はここだ。間違いない…。そんなことしか考えられなくなった。 「おい、何とか言えよ。」 「……ここが、俺の家…なんですよね……?」 「おう、そうだ。これからたっぷり愛情を注いでやろう。」 それから、殴られたり蹴られたり、変な薬を飲まされたりした。けど、これが愛情だと思うと不思議と快感を感じた。俺は…ここで一生暮らすんだ…そう思っていた時、玄関の近くで音がした。何だろうと思っていると突然ドアが開いて、1人の男の人が入ってきた。そして、今にも人を殺しそうな目で俺を見ていた。
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