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翌日、学校に行くとみんなが騒いでいた。何の騒ぎだ?と思っていると、学校の廊下を見知らぬ女の人が歩いていた。とても美人でスタイルもいい。こんな人がどうして…?そう思ってる時、向こう側から城崎先生が来た。すると、その女の人は目を輝かせて城崎先生に近づいて行った。
「貴史ー!」
「うわっ…!?」
突然の出来事に驚いた城崎先生は、美人な女の人に押し倒された。クラスメイト達は気になって後を追っかけた。俺もその場に行った。
「いったぁぁぁ……っていうかその声、心彩!?」
「あったりー!さっすが貴史!」
その光景に誰もが戸惑った。勿論、俺も。
「あの…城崎先生?この方は一体……?」
「え?あぁ……俺の……」
「婚約者です!」
城崎先生が言う前に、その女の人が言う。
「え…えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「城崎先生、婚約者いたんスか!?」
「ち、違うって!この人は……!」
「もう、貴史ったら照れちゃってぇ…」
そう言って、心彩さんは城崎先生の顔に手を添え、口にキスをした。その瞬間、俺の心臓は痛み出した。嫌だ…嫌だっ……!!俺はその場から逃げ出した。屋上に逃げ込み、鍵を内側から閉める。閉め終わった後、人目につかない所に移動してしゃがみこんで、俺は泣いた。今までのことを考えると、俺とのことは遊びだったんだとしか考えられなかった。こうして、俺は放課後までずっと屋上にいた。午後四時半、やっと落ち着いて部活には出ずに帰ろうと教室に向かった。机の中のものを全部鞄に入れて、教室を出た。今日はホテルにでも泊まろうと思っていると、突然腕を掴まれた。
「梓っ!」
振り向かなくても声で分かる。城崎先生だ。俺は力強いその手を振りほどくことが出来ず、そのまま口を開いた。
「何の用ですか。」
「今日…何でテスト受けなかった?どこにいた?何でこんな勝手なことした?」
城崎先生の声のトーンが低い。怒っていることが分かった。
「答えろよ、梓。」
「……」
何も言いたくなかった。俺は思いっきり力を入れて城崎先生の手をほどく。そして、走って逃げ出した。
「梓っ!」
走って逃げているが、城崎先生の足は速くてすぐに捕まえられた。そして、俺の両腕をとって壁に打ち付ける。
「いっ……!」
「何で逃げる?早く答えろよ!次逃げ出したら、殴るぞ!?」
どうしても答えたくなくて、俺は逃げ出そうとした。が、城崎先生は片方の腕に力を込めてもう片方の手で俺の頬を殴った。
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