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心彩との電話を終えて、俺は電話を切る。…参ったな…このままだとまずい…。父さんを首にされたら父さんに迷惑かける。それだけは避けたい。それに父さんと心彩のお父さんは最近仲良くなっているし、俺たちのことで父さん達の仲を悪くさせたくない。でも、梓と別れたくない…。一体どうしたらいいんだ…。俺は頭を抱え込み必死に考えた。どれが正解なのか…。一晩考え込んだが、今日は正解が出せなかった。
「貴史さ~ん!朝ですよ~!」
「……ん…」
目を開けると、制服を着た梓がいた。
「梓…?」
「早くしないと遅れちゃいますよ?」
「あぁ…悪ぃ……」
「それにしても、珍しいですね。陸さんが机で寝ているなんて。夜遅くまでお仕事してたんですか?」
「あー…ちょっとな。」
俺は少し苦笑しながらそう言った。梓に昨日の出来事を言えない。
「そうですか。俺、今日友人と学校に早めに行って勉強することになってるので、そろそろ行きますね。それじゃあ行ってきます。」
「あぁ、行ってらっしゃい。」
梓はすぐに俺の部屋を出ていった。梓は…俺が心彩と婚約することを知ったら、どういう顔をするんだろう?嫌がる?泣く?案外平気?それとも…傷ついた顔?分からない。頭ん中がぐちゃぐちゃになりそう。こんな状態で授業なんて出来ない。俺は部屋を出て、家の電話から学校に連絡をした。
「もしもし…」
「城崎先生?どうかなさいましたか?」
「あの…すみません…今日、体調が優れなくて…申し訳ないんですが休みます。」
「そうでしたか。分かりました。お大事にしてくださいね。」
「ありがとうございます…」
そう言って電話を切る。
「はぁ……」
しばらく、俺は電話の前で俯いた。
「ただいまー、貴史さんいるんですよね~?」
梓の声…今日学校に行ってないから、顔合わせたくないな……。俺はベッドの中に蹲る。すると、部屋のドアをノックする音がする。そしてすぐにドアが開いた。
「入っていいですか?」
いやもう、堂々と入ってますけど…?そう思いながらも、俺はベッドの中で蹲ったままで梓の声を聞いた。
「今日、貴史さんの変わりに別の先生が来て授業したんですけど…貴史さん、体調悪かったんですか?」
「……違う…」
「じゃあ、何でですか?何で来なかったんですか?」
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