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二時間目、移動教室で廊下に出ると何やら騒がしかった。見ると、心彩さんらしき人と貴史さんがいた。貴史さんが言ってた通り、彼女はナイフを持っていて、貴史さんは襲われていた。
「待ちなさいよ!貴史~!!」
「それで大人しく言うこと聞く奴じゃないから、俺。」
「死ねっ!死ね!!」
ナイフをぶんぶん振り回していて彼女は貴史さんを追っていく。
「何か…凄いことやってんな~…城崎先生も心彩さんも……」
「…そう…だね……」
「ん?どうした?梓。大丈夫か?」
「大丈夫。気にしないで。」
「そっか。じゃあ早く行こうぜ!」
俺はクラスメイトの男子と一緒に、次の授業の教室に行った。
お昼休み、俺は生物の先生に勉強を教えてもらいに職員室に行った。
「維網、悪いな。そこの席で待っていてくれ。」
「はい。」
俺は先生に言われた通りに近くにあった椅子に座る。
「そういえば、維網。昼食は食べたのか?随分来るの早いが。」
「あー…実はお昼抜いたんです。お腹すいてなくて…」
「おい、維網。いくら何でも抜くのは良くない。弁当持ってこい。少しくらい食え。力出ないぞ。」
「あ…すみません。お弁当、持ってきてなくて……」
「はぁ…仕方ないな。これでも食え。」
そう言って、先生はコンビニのおにぎりを俺にくれた。正直お腹はすいてるけど、食欲がなかった。変な感じ。そう思いながらもおにぎりを少し口にする。あ…おかかだ。
「さてと、どこから教えようか。維網は学年で一番いい成績だから、基礎は出来てる。応用問題にでも取り組んでみるか?」
「…そう…ですね。応用のなかでも一番難しい問題ってあります?」
「ん?最難関の問題か?そうだな…。あ、この問題でもやってみるか。」
そう言って先生が取り出したのは、かなりハードな問題だった。なんでもいい。今はただ、違うことから頭を離れさせたかった。俺は問題を一心不乱に解いた。
「うぅ…」
頭がパンクしそうだ。こんな難易度の高い問題、ちゃんと勉強しないと差をつけられて試験落ちちゃう。帰ってからやらないと。
「維網、そろそろ追い込みの時期だからな。焦らずに今までやってきたことを発揮すれば、お前ならきっと大丈夫だ。」
「…ありがとうございます。頑張ります。」
そして、昼休み五分前に俺は職員室を出た。すると近くにいた貴史さんと目が合った。貴史さんは俺の顔をあまり見ずに職員室に入って行った。
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