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第3章 本音
「さーて、朝食でも作ろっかな?何食べたい?」
「え?えーと……城崎先生が作るものなら何でもいいです。」
「……っ、本当お前さぁ…そんな可愛い事言うなよぉ。」
「わっ…!」
城崎先生は俺の頭を鷲掴みにして撫でまくる。撫でられることがどうしてか分からないが、城崎先生に撫でられるととても心地よく感じる。
「とりあえず、飯作ってくる。少し待ってろ。」
「はい、ありがとうございます。」
城崎先生は朝食を作りに、台所に行った。しばらくしてから俺の頭が瞬時にふわふわするのを感じる。何か…体もだるいし、少し吐き気もする。あぁ…視界がぼやけて見える…な……。瞼が少しずつ閉じていった。
目が覚めると、俺はベッドの上だった。…あれ?何でベッドで寝てるの…?体を起こすと、だるさや吐き気がしてくる。すると、部屋のドアが開いて城崎先生が入ってきた。
「…大丈夫か?体の具合はどうだ?」
「先生……俺は…一体……」
「倒れたんだよ。俺が飯を作り終えて持っていった時には、既に倒れてた。それで、体が熱かったから熱出たんだなと思って、部屋に運んだ。」
「…そう…だったんですか……」
「ちょっと、熱測ってくれないか?」
城崎先生は体温計を差し出す。
「はい…」
受け取って、熱を測る。測り終えて見ると、38.5℃。
「どうだった?…うん、高いな。」
先生は体温計を覗き込んで言う。結構、冷静だ。
「何か食べれそうか?」
軽く首を横に振る。正直食べたくなかった。食べたら吐いてしまうんじゃないかと不安になったから…。
「そっか…でも、胃に何か入れないと飲めない薬が多いからな……。もしかして吐きそうで食べれないとか?」
「…はい。」
「じゃあ、寝ていた方がいいよ。寝たら、少しはスッキリするっていうらしいし…気分が落ち着いてからお粥でも食べて薬を飲もう。」
「はい…本当にすみません、ありがとうございます。」
「気にすんなよ。じゃあ俺は違う部屋に行くから、何かあったら呼べよ?」
「…あ、あの……」
俺は先生の服の袖を軽く掴む。
「ん?どうした?」
「…寝付けるまで……一緒にいてくれませんか…?」
「いいよ。」
そう言って、俺の頭を優しく撫でてくれる。やっぱり城崎先生はとても優しい。
「…ありがとう…ございます……」
そして数分後に、俺は眠りについた。
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