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輝宗様は大人で、いつも何となく余裕があり、お側にいるだけで、私は心が癒された。 それだけにこの汚れた身が、申し訳なくてならなかった。 初床では卵の殻に入れた鶏の血を用いた。 そんな自分であったから、梵天丸が授ったとき、どれだけ嬉しかったか。 梵天丸は美しくて、それこそ玉のようなおのこで。 でも幸せはつかの間だった。 帯をしめなおすのも逃がれながら。 下女を郎党をせかして逃げるように伊達領に戻った。 とても不安だったので、輝宗様にはしたないおねだりをした。 義ともあろうものが、どうした、と仰せながら、輝宗揺は鷹揚に、かわいがって下さったけれど、時既に遅かった。 えづく。 子が。 父(てて)は…
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