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姿見に向け、那緒がふたを開けた懐中時計のキーホルダーを差し出す。
数秒後、懐中時計の上に陣が浮かび上がり、陣の中にある時計の針が凄い勢いでまわり始める。
さらに、姿見の中が霧が立ち込めたように曇り、うっすらと光る鍵穴が浮かび上がる。
那緒「美羽」
美羽「うん」
ウエストポーチにつけた鍵のキーホルダーを鍵穴に差し込み、時計回りにまわすと、姿見の霧が消え、森の中のような光景が写し出された。
確認、とばかりに那緒が姿見に手を伸ばせば、波紋ができ、鏡の向こうに手が入っていく。
那緒「うん、聞いてた通り!」
美羽「実際に見ると、やっぱり不思議だよね。いったい、どうなってるんだろ」
那緒「まあ、こっちとは原理から違う世界らしいし、いってみないとわからないかもね。何せ、王道ファンタジーの世界だよ?これから色々世界を廻るにしても、最初がここってのはありがたいや」
美羽「お姉ちゃんは、現代ものから、西洋からラノベまで、ファンタジーとつくものなら読んで観賞しまくってるもんね」
那緒「おうよ!王道の展開から、邪道から、大体は知ってる自信がある!」
美羽「頼りにしてる(笑。じゃあ、まずは下見で六時間、だね!」
まず那緒が、その次に美羽が、鏡の向こうに見える世界に入っていった。
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