2.

2/5
前へ
/16ページ
次へ
遠行が終わり、午後7 時頃、Aというバス停で那緒はバスを降りた。 いくらか左足を引きずりながら、バス停の真向かいにある自宅へと向かう。 肩に掛けたリュックに、登校する時は着けていなかった、明治時代にあるようなデザインの懐中時計を模した黒のキーホルダーと、手のひらほどの長さの黒基調の丸筒が揺れている。 家に着き、二階にある自分の部屋に荷物を置くと、着替えもそこそこに、私服を放り込んだリュックを持って隣の妹の部屋へ。 妹は、すでに宿題を終わらせ、金色の鍵のストラップをつけたウエストポーチを身につけて那緒を待ち構えていた。 那緒「準備は?」 妹「万端!!」 那緒「よし。じゃあ、行こうか!」 妹「うん!」 那緒と妹は、部屋にある姿見の前に立ち、懐中時計を模したキーホルダーを 母「那緒ー!美羽(みわ)ー!ご飯ー! 」 二人は顔を見合わせた。 那緒「...美羽、ご飯とお風呂、終わらせてからにしようか」 美羽「...そうだね」 那緒と美羽は、「今いくー!」と返事をして、着替えを持ち、階段を駆け下りた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加