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岡田以蔵、その死
「兄上! 私も土佐勤王党に参加しました!」
弟の言葉に岡田以蔵は目を丸くした。
「何をいっちょる。おまんはまだ18歳じゃろ。父上や母上が心配する。そんなことやめて、家の手伝いでもしちょれ」
兄の言葉に弟である岡田啓吉は不満そうにその顔を見上げた。
「そんなことはありません。兄上が武市先生に従って江戸に行かれたのは18の時でありませんか。だから、私も攘夷活動に参加できる年です」
「おまんな……。だいたいなんじゃ、そのしゃべり方は」
「江戸に出るために学びました。参勤交代に参加できるかもしれませんし」
「ならん。ええか、これからの江戸、京は何が起こるかわからんところになる。滅多なことをしちゃいかんぞ」
厳しく言いつけて、以蔵はその後、武市半平太と共に土佐藩の参勤交代に加わり、京に向かう。
それが、弟との永遠の別れになるとも、知らずに。
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