第三章 ラジコンヘリ

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第三章 ラジコンヘリ

その頃、浅間は公園で良く見かける小学生が気になっていた。 年の頃は十歳ぐらいか。いつも、三時ぐらいに来て、浅間が引き上げる七時ぐらいまで公園に居た。 そして、いつも一人ぼっちだった。  ある日、ラジコンヘリを持った小学生達が集まり、ご自慢のヘリを楽しそうに皆で飛ばし合っていた。いつも見る一人ぼっちの小学生は、その輪に加わる事もなく、羨ましそうに空を飛び交うヘリを眺めていた。 浅間もその小学生の視線の先に焦点を合わすように、ヘリを見詰めていた。 すると、ヘリはこちらに向かって飛んできた。 そんな時、急に突風が吹いた。 ヘリはその突風でバランスを崩したのか、ヘリを見守る小学生を目掛けて、まっしぐらに急降下して来た。 「危ない・・・」 浅間は、その小学生を庇うようして抱き抱えると、飛んできたヘリを手で叩き落した。 ヘリは地面に叩きつけられて、粉々に砕けた。 「何すんだ、このクソ、じじい」 「危ないじゃないか・・・」 「弁償しろ、じじい。じゃないと、器物破損で訴えてやる」 近頃のガキは、こういう事だけは良く知っている。 「じゃあ、俺の方は過失傷害で告訴してやる」 浅間は息巻くガキに言い返した。 「もう行こうぜ・・・」 その集団のリーダーらしきガキが後方から叫んだ。 小学生達はヘリを小脇に抱えると、そそくさと消えて行った。 「大丈夫か、坊主」
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