1/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

 

「・・・そろそろ時間かな」 そう言って僕はコートを羽織る。 時計の針は6:30を指している。 ここから最寄りの駅までは、歩いて約10分。 さらに約束の駅までも約10分。 ・・・そして約束の時間というのは7時・・・ きょうはこの日のために用事を早めに切り上げて、この時を心待ちにしていた。 実際、いまも胸の高鳴りを感じている・・・ 「クリスマス・・・かぁ・・・」 そう、きょうは12月24日・・・クリスマスイヴ・・・ 1年に1度しかない日・・・ 「こんな日にこっちに来るなんて・・・もっと別の日でもよかったんじゃないか・・・?」 そんなことを呟きつつも、どうしても頬が緩んでしまう・・・ そうこうしてるあいだに駅に着いてしまった。 ・・・予想通り駅構内、さらには車内にいたるまでカップルでごった返している。 こんな時間にこんなとこをひとりでうろつくのもなんかシャクだったが、相手との待ち合わせもある。 駅に着くなり、早足で改札を通りすぎ待ち合わせ場所のクリスマスツリーの根元へ・・・ このクリスマスツリーは、車内からも見えるほどの大きさだ。 ・・・実際、位置的にも駅の目の前ということから、カップルたちの待ち合わせ場所として貢献している。     
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!