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幾つもの電球やら飾りやらに彩られて、寒いはずのこころを和ませてくれる・・・
・・・クリスマスツリーを眺めてるあいだにいつのまにか約束の7時を数分回っていた。
「・・・そろそろだな、あいつはいつも時間通りに来たことないからなぁ・・・」
わずかに笑みをもらしながら、相手の到着を待つ・・・
何気に携帯のメールをもう1度確認する・・・
『12月24日のクリスマスイヴの夜、あの駅のクリスマスツリーの下で待っています。』
『・・・あっ、時間は7時ね~』
・・・あいかわらずそそっかしいヤツだ。
約束するのはいいが、時間を明記するのを忘れているんだから・・・
・・・そのとき、携帯の画面に一粒の白い物が・・・
「雪だ・・・」
周囲のカップル達が一斉に騒ぎ出す。
・・・こんなときほど、ひとりでこんなとこで待っているのがツライと思うことはない。
雪は、積もるのではないかという勢いで降ってきている・・・
「・・・ホワイトクリスマスかぁ・・・」
・・・しかし遅い。
ふと腕時計に目をやると、すでに7:30分を回ろうかというころだ。
雪が降ってきているということもあり、かなり冷え込んできている・・・
「ごめん、待った~?」
「・・・ったく、遅いんだよ・・・」
と言いつつ、振り返る・・・
・・・
・・・別の人だった。
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