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・・・待ちわびてたせいか、声すらも判断できないようだ。
「あ~っ、遅いっ・・・」
・・・と、そのとき、ふと肩を叩かれた感触・・・
「・・・やっほ」
「・・・ったく、いつまで待たせるんだ」
と言いつつも、顔は笑ってしまう。
「・・・髪の毛切ったんだね」
「あぁ・・・もう立派な社会人だからな」
実際、かなりさっぱりとした髪型になっている。
「・・・おまえ、それにしてもよくわかったな、別の人だったらどうしてたんだ?」
笑いながら問い掛ける・・・
「わかるよ・・・後ろ姿はいつまで経ってもかわらないんだね」
「・・・そうか~?」
「うん、いまだってすぐわかったもん」
くすくすと笑いながら昔懐かしい笑顔を見せている彼女・・・
「・・・しかし、どうしてまた突然会おうなんて言い出したんだ?」
「・・・あのねぇ・・・まさか忘れたなんて言わせないよ?」
・・・もちろん憶えている。
以前、彼女が東京から出ていくときのこと・・・
「・・・20才になった年のクリスマスイヴ・・・私・・・あなたに会いに来るから・・・」
「あ、あぁ・・・」
「・・・昔の約束・・・憶えてる・・・?」
「・・・あぁ、憶えてる」
「じゃあ言ってみて」
「・・・ここで言うのか?」
「うん」
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