3/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
・・・待ちわびてたせいか、声すらも判断できないようだ。 「あ~っ、遅いっ・・・」 ・・・と、そのとき、ふと肩を叩かれた感触・・・ 「・・・やっほ」 「・・・ったく、いつまで待たせるんだ」 と言いつつも、顔は笑ってしまう。 「・・・髪の毛切ったんだね」 「あぁ・・・もう立派な社会人だからな」 実際、かなりさっぱりとした髪型になっている。 「・・・おまえ、それにしてもよくわかったな、別の人だったらどうしてたんだ?」 笑いながら問い掛ける・・・ 「わかるよ・・・後ろ姿はいつまで経ってもかわらないんだね」 「・・・そうか~?」 「うん、いまだってすぐわかったもん」 くすくすと笑いながら昔懐かしい笑顔を見せている彼女・・・ 「・・・しかし、どうしてまた突然会おうなんて言い出したんだ?」 「・・・あのねぇ・・・まさか忘れたなんて言わせないよ?」 ・・・もちろん憶えている。 以前、彼女が東京から出ていくときのこと・・・ 「・・・20才になった年のクリスマスイヴ・・・私・・・あなたに会いに来るから・・・」 「あ、あぁ・・・」 「・・・昔の約束・・・憶えてる・・・?」 「・・・あぁ、憶えてる」 「じゃあ言ってみて」 「・・・ここで言うのか?」 「うん」     
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!