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「・・・おほんっ、『大人になったら・・・結婚しような』・・・だろ?」
「・・・うん、憶えててくれてるんだね」
「・・・あたりまえだろ?」
「・・・うん」
「・・・あんな恥ずかしいこと忘れろって言ったって忘れられやしないよ」
「あはは・・・たしかにそうだね」
「それじゃあ・・・ごめんな、いろいろあったけど・・・やっぱりこれでお別れなんだよな・・・」
「・・・うん・・・でも、またきっと会えるよ・・・」
「・・・そうだよな、そのときまでのさよならだよな」
「・・・うん、じゃあ約束・・・」
「あぁ、約束だ」
「それじゃあ・・・必ず迎えにくるからねっ・・・」
「・・・約束・・・憶えてたんだな・・・」
「当たり前でしょ? 実際にこうやって会いに来てるじゃない」
「そうだよな・・・」
「あはは、変なの~」
「変とはなんだよ・・・」
ふたり同時に吹き出す。
こうしてふたりで笑うのも何年ぶりだろうか・・・
「ごめんね、遅れちゃって・・・」
「いや、ぜんぜん待ってないぞ」
「・・・うそばっかり、雪積もってるもん」
「・・・あぁ、本当だ、すっごく待たされたぞ」
「ごめんね~、電車1本間違えちゃって・・・」
「相変わらずドジだよな、お前って・・・」
「ドジとはなによ・・・これでも、7時前には着くつもりできたんだから」
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