郊外の喫茶店

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 宇藤さんがコーラと一緒に自分の飲み物を持ってきてテーブルに腰かけた。からかいの対象から逃れるが如く、辻は質問をする。 「今日はどんなニュースを聴かせてくれるんですか?」  多くの人が利用する喫茶店は情報が集まることから、宛さながら報道局のようだった。宇藤さんは相手によって提供する話題が異なるのだが、それには理由がある。 「今回は鵜飼さんですよ」  消失事件。不定期に起きるこの現象に着目をし、独自に解決を図ろうとしているのが俺たちだけだから、他者を排した状態で情報を共有しているのだ。 「消防士として誇りを持っていたように見えたのに」  田居が沈んだ表情になる。あいつはイケメンだったし惚れていても不思議じゃない。そのことを茶化す雰囲気でもなかった。
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