第1章 はじまり

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オレ「今日からオレは高校生になるんだ。」高校の入学式の会場で、校長先生の挨拶を聞きながら彼は自分の少し汗のかいた手をギュッと握りしめた。 入学式が終わりそれぞれ教室に分けられた。 賑やかだが少し緊張感のある教室で生徒はそれぞれ席につき仲のいい友達と喋ったり、まだ溶け込めてない生徒は自分の机の下で携帯電話を触っていたり、窓際の生徒は、春風に揺られて散っていく桜を、儚げな表情でみていたりと、様々な感情が渦巻く中、教室の前の扉が、ガラガラと開いた。 教室に入ってきたのは、坊主頭に少しあご髭を生やした痩せた背の高いスーツ姿の男だった。 男「私が1年4組担任の嶋崎です。今日から1年間宜しくお願いします。」と教室全体を見渡しながら言った。 嶋崎先生 「では早速ですが私の方からアンケート用紙を配ります。」と言うと嶋崎先生は1人1人にアンケート用紙を配っていった。 嶋崎先生「全員手元にアンケートはありますか?」と言うと生徒たちは「はーーい」と大きな声で返事をした。 そしてオレはそのアンケート用紙に目を向けた。 そこには、アンケート用紙の1番上に名前と希望する部活動の記入する欄があり、その下にはそれぞれ部活動の紹介文と写真があった。 オレは入部したい部活動の写真を見つけた。 オレ 「あった。」野球部の写真だ。 オレは4年前、甲子園で活躍するこの高校を見て絶対にこの高校に入学すると決めていたのだ。 オレは写真の下の紹介文を読んだ。 オレ 「なになに、「私達野球部は、4年前に県大会を優勝し、甲子園に出場しました。結果はベスト4でしたが、その時のエースピッチャーはプロの世界で活躍しています。ですが今は、部員の減少により6人で毎日練習をしています。県大会にすらエントリーできない状況です。ですので今年の新入生は是非野球部に入ってください!またあの夢の舞台に行きましょう!」って、えっ!!部員6人!?」オレは思わず教室中に響き渡るほどの大きな声で叫んでしまった。
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