夜の青空

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   「ほんとーなーらば今頃ー、ボクのベッドにはー、あなーたがーあなーたがーあなたが居て欲しい  今度生まーれた時にはー、約束ーしよーおー、誰にも邪魔させない、二人の事をー」  青空に向け、大声で歌った。 「読んでもらえるだろうかー、手紙を書こーおー、あなーたにーあなーたにー、あなたにラブレター  新しいステレオ―を注文したよー、ボクーのー所へ、あそびにおいでー」 澄まし顔のブタマンと、恥ずかしそうな田中と目を合わせながら、あのバンドのボーカルみたいに、全身の力を抜いて、おどけた体の揺らし方で。 「あーあー、ラブレター 百分の(いち)でもー あーあー、ラブレター 信じて欲しーい」 目の前をアゲハ蝶が横切った。思わず目で追うも、滑り台の上にとまり、陽の光が眩しすぎて、それ以上は見ていられなかった。 「ほかの誰にも言えないー 本当のことー あなーたよー、あなーたよー、しあわせになれー あなーたよー! あなーたよー! しあわせになれー」  歌い終わって、笑いながら、二つのことが分かった。 一つは、叶った夢のこと。もう一つは、あの日見たコスモスに、何が足りなかったのか。 ―END―

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