乾いた風にかき消されて聞こえない。

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「おーい宇都宮くん!早くー!」と遠くのグランドの男子生徒が彼を呼んだ。 「あ、じゃあそろそろいかなきゃ、ボール改めてごめんね。」 と彼は私にそういって皆のところへ戻っていった。 戻っている最中、彼は私たちの方へ体を向け、何か言葉を発した。 「◯◯◯、◯◯◯◯◯◯。」 風がやけに強くて私は聞き取れなかった。 「一実、彼今何かいったよね?」と私じゃ聞き取れなかったので一実に聞いてみると。 「パンツ、ピンク色だね。って私は聞こえたけど 結菜、今日のパンツの色何色?私は黒。」 体育ズボンを覗いてみた。忘れていた。私今日 「ピンクのパンツ…」 顔が赤らめ、怒りが沸いてきて私は彼に向かって叫んだ。 「しね!!!!!!」 でも私の声は乾いた風にかき消されて彼には最後の声も聞こえなかっただろう。
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