かつては夢だった現実

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確かに。と、素直に思ってしまう部分が彼の話を聞いて思った。 私は彼が第2グランドで歌っていた曲をダウンロードしたときに、素直に思ったのが、無料で聞けるんだ、この歌。って思ったのも事実である。 「私達は何か楽なことにばかり目を向けているのね。」 「勿論、すべての人がそうじゃないけどな。」 すると彼は 「だから、俺は昔の要素も感じられるような幅広い歌手になりたい。寄り添う事も大切だけど、もっとおっきな価値を見いだせるアーティストになりたい。昔の要素を知って、何か忘れてる大切なものを気づかせられるような感じになりたい。」続けて彼は言った。「昔はもっとお金を掛けて聴いて、見にきて、感動したんだ。きっともう一度今の時代もそれができると思う。」 彼の意思の強さがとてもすごかった。熱狂的に何かをすることを私は一度も成し遂げたことがない。でも彼の熱狂的な意思に私は素直に頑張れ。に似た感情が出てきた。 そして、その時流れていた店内放送の曲が印象的な歌詞だった。今この状況で流れていた曲の印象的な歌詞が私の頭をよぎった。 「かつては夢だった現実 気づいているか」
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