だんだん心惹かれて

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曲が流れ始めた。その曲には彼が昨日見せてくれた歌詞がメロディーに沿って流れていた。 私は女子とのトークなど耳を傾けず、無意識に仮歌を聞いていた。 ちらっと見ると宇都宮くんは真剣な眼差しで聞いている。 そして曲が終わると。ぱっ!!!!ぱしっ!! 宇都宮くんと、その友達がハイタッチし始めた。 そして「最高だな。これをちゃんと形にしよう。寅泰、ほんとありがとな!!」 「何いってんだよ メロディーはほぼお前が歌ってたやつだからそれに、コード乗っけるだけだったからサー。簡単だったよ」 すると宇都宮君たちは席を立って売店へ向かった。 その時、何を血迷ったのか、私も彼を追うように立ち上がって、彼らをおった。何か伝えなきゃと言う変な衝動に駆られたのだ。 「ちょ。結菜?どこいくの!」教室を出て廊下に出た。まだ廊下にいた宇都宮君たちに私はこう言いたかったのだ。 「ウツ!!」 廊下に私の声が響き渡り、彼らは足を止めて振り替えって私を見た。そして私は 「いい歌だね!歌詞すごく好き。きっとなれるよ!」 一実が唖然としてたのが見なくてもわかった。 私は他人に話しかけたことが無いのだ。 一実にとってこれは初めての光景だったのだろう。口が空いていた。 そして宇都宮くんは…振り向いて、 「昨日の歌詞覚えてたんだ。サンキュー。ありがと!」っと言って、売店に向かっていった。 彼の後ろ姿が離れてくのが少し寂しい気がした昼休みであった。
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