鏡に写ったあなたと二人

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彼女。いるのかなぁ。私は頭の中でそればかり考えていた。好きって感情はわからない。でも、私はどこかいないでほしい。って思ってたんだ。 理由なんてわからない。でも、他の人よりウツを応援したいなって直感で思った。それだけだ。 部活を終えて、一実は予定があるらしく、家族に車で送ってもらったため、一人で家路に向かう。 「そろそろ梅雨入りかな」なんてため息つきながら歩いてると 「わかった。じゃあね。」と男子の声が近くの公園から聞こえた。ふと横を向くとウツが女性から離れて公園から出ていく姿が見えた。 私はそっとなにも言わず彼を追うように歩いた。 彼は走ることもなく普通に道を歩いていった。 帰り道とは少し違うけどなんだか彼の後をつけてみたくなった。暇潰しにも似た好奇心だ。いやきっと女性のことが気になるのかな…。わからないまま後をつける。 段々と空が暗くなる。夕方から夜に変わろうとしていた時間。 するとたどり着いたのは街が見渡せる丘だった。 誰も来ないようなこの丘。当たりは草原ばかりで。 すると、「なんでついてくるの?さっきから。」とウツが私に問う。バレてた。つけてるの。 「ば、ばれてましたか。」 「バレるよ。どんくさい歩き方してたら。」 彼にいった「ど、どんくさい…か。よく言われます。」 「なんでついてきたの?」って彼が聞いてきた。 「公園で女性と何か揉めてた様子だった…のでなんか気になって。」 「余計なお世話だ。関係ないでしょ。偽善者ぶるの?」 鋭い発言を食らった。でも確かに言われても仕方ない。私も彼だったら同じ事を言うだろうし。 「そ、そんなんじゃない、です。でもなんでかわからないです。」 「あっそ。」と一言。そして彼は。 「公園にいた女子、彼女だったんだ。でもなんか分からないけどフラれた。原因は教えてくれなかった。中学の恋愛なんてそんなもんかって思った。」 「俺は結構好きだったんだよなぁ。」 と続けて彼は言ったとたん 雨が降ってきた。 「わ、雨。」と私は持っていた折り畳み傘を鞄から探した。彼を見ると傘が無いみたいでびしょ濡れだった。
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