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私は無意識に彼に寄り添って傘のやねをつくってあげた。
「風邪引くから。」「ありがと。」
そして私は
「恋愛なんてマニュアルが無いんだからそんなもんかだらけだよ。」
何いってんだろうと思いつつも口が止まらない。
「私は恋愛なんて興味無い。人を好きになろうとしたことがほんとにないんだけど、客観的に見て思うのは、あなたは大切な夢がある。ようやくそれだけに集中できるって言うプラスに考えたらいいよ。」
らしくない。完全に私らしくない。そう思った。
「ありがと。」と彼はボソッと一言。
時間も時間なので帰ることになった私達。しかし、送らなくていいと言ったのについてくる。
どうやら初めて知ったのだが、すんでるマンションが私達同じだったらしくて、しかも部屋が隣でした。エレベーターの隣が私の家で、その奥が彼の家。全く気づかなかったのだ。
びしょ濡れの二人でエレベーターに乗る。
エレベーターは壁に全身が写るようなおっきな鏡がある。
階につくまで二人の沈黙が始まる。
たった七秒ほどの時間なのだが
鏡に写った私とかれの姿はまるでツーショットに見えた。私はなんだかほっぺが痛かった。
理由なんてわからない。でも 気分は幸せだ。
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