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IGNITION SEQUENCE START
次の日私は風邪を引いた。昨日の雨だ。厄介だ。あいつのせいだ。いや。勝手についていった私のせいだ…。熱で眠れないってのもあったけど。
この壁の向こう。彼がいるのか…。って思うと全然眠れなかった。ドキドキもあったが
八割方イビキかいてて聞かれたらどうしようと言う絶望的な不安で眠れなかったのだ。
いや、そんなに音漏れするもろい壁では無いんだけど、もし聞こえたらって考えると。ねぇ。
でも、学校休んで寝ている娘に世の中は優しくないもので。ごみ捨てに行かなきゃならないのだ。
親に頼まれた。今日は燃えるごみ。
「はいはい。やらなきゃならないんでしょ。」と言って私は寝巻きのまんまマンションの住民専用ごみ捨て場へ行く。そしてごみ捨て場に行くと見たことある髪の毛の長い男子がいた。
「あ。」 「あ。」
ウツだ。
「お、おはよう、あれ?学校は?」
と彼が私に言ってきたので
「宇都宮君こそ学校は?」
そして同時に私達は
「昨日の雨で風邪ひいた。」
…やっぱり と思った。二人揃って風邪か。
ふふ。ん?あれ。 気づいたら誰もごみ捨て場にいなかった。
彼は知らないうちにエレベーターに向かってた。
「ちょ、まってよ!」私はエレベーターに走って向かった。
別に一緒に乗る必要なんてなかったのだがなんだかそんな気分だった。
エレベーターから出ると私が手前で彼が奥の部屋なので私が最初に角に曲がるのだが。
「お前さ。料理できるの?」とウツが私に聞いてきた。
「…多少は。」 「そか。じゃ、お大事に。」
と一言言って彼は家に戻った。私はなんで聞いたか分からず、首を横にかしげて家に戻った。
家に戻り、冷蔵庫あけ、お茶を飲もうとした。
そこで目に留まったのは親が残していったメモ。
「帰り遅くなるっ。風邪なのにごめんね。アイス買って帰るからねっ」
「ふふ、アイス楽しみ。」と呟く
ふぁっとあくびをしながら私は冷蔵庫の中のものを漁ってご飯を作ろうとした。
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