薔薇の花

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私が小学4年生の頃、母は病に倒れ、40歳にも満たぬ若さで帰らぬ人となりました。 4年生と言えども、まだ10にもなっていなかった私にとって、母の死は受け入れられるものではありませんでした。 白い棺の中で眠っているように横たわっていた母は、この世で一番美しいと思いました。 まるで、落ちてはすぐに溶けてしまう粉雪のように。 私は母のそばで、おいおい声を上げて泣き続けました。
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