1人が本棚に入れています
本棚に追加
The another point of view:龍之介
「うわぁーーーーーーっ!」
絶叫した。あの悪夢を脳裏から振り払うように。
なんだあれは。なんだったんだ。
全身を確認してみると、もちろん血に濡れてなんかいない。引っ越し作業で疲れでも出たか?
それにしては、やけにリアルだった。
ーー血まみれになって、惨たらしく殺されるのか。
「それは、ゴメンだな……」
乾いた笑いしか出なかった。携帯の暗い画面に映った自分の顔は、街灯の薄暗い光でも分かるほどに真っ青だった。
時計を確認すると、午後10時。
夜の街、車が行き交う道路を、橋の上からぼんやりと眺める。
11月。
オレは明日から、ここ園木市で高校生活を送ることになる。
最初のコメントを投稿しよう!