誰かによる、誰かのための『強がり』。そのプロローグ。

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今から、5年前。 腕輪型万能生成デバイス、『クリエーター』が開発され、世界中で大きな話題になった。 しかもその時点で、大量生産の術は確立されており、数年後には世界中で一般販売を開始。 瞬く間に普及して、今では一家に一台。いや、一人に一台と言われるまでになった。 そして、この『クリエーター』を語る上で欠かせないのが、『万能粒子』と呼ばれる存在だ。 万能粒子とは、この世の物体全てに含まれているらしく、どんな元素にも取って代わることが出来るらしい。 そして『クリエーター』は、その万能粒子の貯蔵・組み替えを行うのに必要な機械なんだ。 『万能生成デバイス。この存在が、人を神に近しい存在へと変えた』 ある評論家の言葉だ。 確かに、この機械を用いれば人は神にだってなれるかもしれない。核だって作り出せるかも。 しかし、それは出来ない。 まず、クリエーターには2パターン存在し、旧型と新型がある。そのいずれにも核などの兵器開発、それに準ずるものの生成は出来ないようになっている。 新型は、時計や万歩計、ネットの使用などの機能の向上。 旧型は、便利な機能は無いものの、既存の物質の枠を超えたものを創り出すことが出来るという。 しかし、旧型は当初、欠陥が見つかったとされ回収騒ぎが起きた。 そして現在、旧型は世界に3つ。赤、黒、紺。 そしてオレ、星宮龍之介は黒のクリエーターを所持している。
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