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ある日、私はオウサマから呼ばれて王の執務室に出向いた。要件のことはいくつか考えられるけど…
「フィルラ。貴様を王宮から永久に追放する。妹であるアィリアを虐めるなど貴様には王族である誇りはないのか?!」
最悪なパターンきたぁ…誇り云々に関しては私はあんたに言いたいよ。
呆れて物も言えず、結果として何も言い返さない私にオウサマはますますヒートアップしたようだけど、いや。アィリアがどんだけかわいいかとか。ふん。そんなの私の方がよっぽどわかってるね!
「貴様と違ってアィリアは10の頃には帝国語もマスターしていたのだぞ!」
帝国語というのはお隣のベルツァ帝国の言語ね。当然私もマスターしている。多分5歳くらいの時に。
そう、あれは私が5歳の頃。帝国語をマスターしたばかりの私は兄様や母様など周りの大人に帝国語で話していた。
それに疎外感を覚えたリィリアは「自分も帝国語を学びたい!」と言ったのだ。「わたくしも…お義姉様とお話ししたいのです」そう頬を染めて恥ずかしそうに言ったリィリアのなんと可愛いいことか。
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