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王族が住まう後宮には王と王妃であり母のミーシャと側室のキキーラ様、あとは兄と私と妹のアィリアが住んでいる。
母とキキーラ様ーキキおばさんはとても仲がよろしい。おばさんは王がいないときはおそらくずっとお母様の部屋に入り浸っていると思われる。
そのことを知らないのは王だけだ。私の本性と能力を知らないのも王だけ。なんでそんなに何も知らないのかが謎。無能極まりない。
「そういえばアィリアは?」
「え、どこ行ったんだろ?」
「キキちゃん、自分の娘の行方ぐらい知っとこうよ」
「お姉様!こちらにいらっしゃいましたか!」
「あ、いた」
「クソ親父…ケフンケフンイダイナル国王陛下のところにいると伺って、ずっとお姉様の部屋にておかえりをお待ちしておりましたのに…」
デジァヴやな。さすが親子といったところか。
それにしてもうちの妹はいったい何をしているんだ…?人の部屋にそもそもどうやって入ったんだこの子。
「それは勿論!慕ってやまないお姉様のお側にずっといたいからですわ!」
「鬱陶しいわい、くっつくな」
…なんで私の兄妹はシスコンしかいないんだ?
「で、お姉様。ヘーカに何を言われていたのですか?」
「私がアィリアを虐めてたからエルメスに飛ばされた」
「はぁ?!わたくしお姉様になら虐められようとも心から喜べますのに」
「やめい変態め」
私の妹はなぜこんなに残念なのだろうか。
「ともかく、お姉様がそんなことになるなど…」
「うん。だからね、私はこれからのんびりと…」
「お姉様!思い切って国を作りましょう!お姉様天に愛されし存在であることは明白!ゆくゆくは世界を統べるに値するお方、
「あらあら、随分と規模が大きいねぇ」
「面白そうじゃない。さすがわたくしの娘だわ」
…国に反旗翻そうとしてるんだよ(妹が)。少しは止めようとか思わないのかねこの人たちは(妹を)。
ちなみにお兄様にも言ったら「世界統一の第一歩としてまずはウェルナンデ王国地域平定だね!」…それでいいのか次期王よ。
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