第一章 消失と予感

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お風呂にゆっくり使ったあとはごろごろするに限る。バニラアイスをかじりながらスマートフォンを片手にソファーでまったり。あれ?色葉に送ったはずのメッセージが送れてない。もう1回送ってみると直ぐに既読がついた。内心ほっとした。彼女も今頃家に帰ってこのメッセージを見てるのだろう。と、そのとき母が電話に出ながら私に聞いた。 「玲、色葉ちゃんのお母さんからだけど。色葉ちゃんまだ帰ってないらしいのよ。心当たりある?」 「え?」 いや、心当たりも何も今メッセージを送って既読がついたばかりだ。わたしはもう一度送る。〝今どこ?〟またすぐに既読がついた。きっと私とのメッセージのやりとり画面が開きっぱなしなのだろう。が返事は一向に来ない。 「ねえ、玲。何かわかった?」 考えろ私。何か、何か。次の瞬間私は得体の知れない何かに駆られてスマートフォンを片手に家を飛び出した。学校。学校。学校に行かなくては。純粋にそう思ったのだ。母が大声で何か叫んでいたがそれすらも聞き取れないくらい必死だった。
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