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デス・ウィングは、珍しく他人から奇妙な依頼を受けたらしい。
「セルジュ。お前、元々、女のストーカーしていた奴だろ。だから、お前、ストーカーの気持ち分かるだろ? だからさ。ちょっと解決してきて欲しい事件があるんだ。私、なんでも屋とかじゃないからさ」
彼女は、満面の笑顔だった。
「はっ!?」
セルジュは引き攣った顔になる。
†
玄関の前には、大量のゴミが置かれていた。
それに混ざって、猫がゴミを漁っている。蛆がひしめいていた。
瓦屋根(かわらやね)の家だった。
壁には無数の蔦(ツタ)が這っている。
真っ黒なゴシック・ドレスに身を包んでやってきたのだが、服が汚れるのは酷く嫌だなと思いながら、彼は不快そうな顔で、その惨状を見ていた。
「あー。依頼で来たんだけどさあ。ごめんくださーい」
セルジュは玄関のチャイムを鳴らす。
汚らしい住宅だった。一応、庭はある。
中から、人が顔を覗き、セルジュを見ていた。
おはいりください、といったような顔が聞こえた。
玄関のドアが開かれる。
セルジュは漆黒のブーツを脱ぎ、家の中へと入る。…………。
家の中は、禍々しいオーラを放っていた。
しばらく歩いて、セルジュは客室に連れていかれる。
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