CASE 1 ストーカー -心を病んだ被害者- 1

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「まあ、いいや。話の続きを聞かせてくれよ。それから、出来れば、その貰った、手紙とか捨ててないか? 取ってあるか?」  女は頷く。  そして、家の奥に向かい、何枚もの封筒をセルジュに渡す。 「これです。後、数十通くらいあります…………」 「それは。……なんというか、相当に、怖いな……」  渡された手紙の中を見てみる。  ひたすらに、ありとあらゆる画材を使って文字の羅列が描かれていた。マジック、絵具。パステル、クレヨン。墨汁。……種類の分からない画材。…………、どの手紙を読んでも、図形や記号的なものが、ひたすらに並んでいて、何が描かれているのか分からなかった。そもそも、文字と言えるのだろうか。 「相手は何が目的なのでしょうか?」 「うーん、そうだなあ。たとえば、貴方、恨みを買った事はないか?」 「そうですねえ、分かりません……」 「妬まれるような事とか。他にも、誰かに誤解を与えるような事とか」  女はうずくまる。  そして、何かをブツブツ、ブツブツと、呟いているみたいだった。 「わかりません、わかりません、わかりません、わかりません。私が、人に迷惑をかける? 憎まれている? 恨まれている? そんな事……、…………」  彼女はなおも、何かを呟き続けていた。     
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