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(マスター 今を忘れる強いのをお願い)
グラスに注がれる綺麗な色したカクテルは 以前三人で来た事を思い出させた
あの時私が誘わなかったら 酔った振りしなきゃ 涙が頬を伝う
(お代り下さい)
何杯呑んでも酔わない…どうして?
(あれ?私…寝てる 此処は…)
辺りを見渡すとお店のソファーだった マスターが寝かせてくれたと聞いた
(すみません)
立ち上がるも立てない お水を頂き30分…どうにか歩ける タクシーを呼んで貰いアパートに帰ったのは深夜2時を回っていた
昨日の事が夢だったらいいな…また涙が出てきた
(あ!頭痛い ダメだ 有休を )
会社に電話を入れ有休を取った お昼過ぎまで寝てた
私は携帯を何度も見た もしかしたら彼から連絡があるかも知れないと
昨日の事は冗談だよ 香里をビックリさせたくて…頭大丈夫?今晩アパート行くよ 何か食べる?
一日妄想して過ごした 食慾もなく 水さえも喉を通らない
その時携帯に電話が入った
(あ!彼だ 彼からだ……)
(もしもし…うん あ~分かった 来週帰るよ)
電話は実家の母だった…
一日寝てたから 今度は夜が中々寝付けなかった 朝身支度して会社に出社
誰か知らない人が居る…
岡野さんに聞いたら 新しい課長らしい
(え?守村課長は?)
(転勤…多分栄転じゃないかな? )
(栄転?どう言う事ですか?)
(急に決まった…て言うか 話はチラホラ出てたみたいで)
私は笑いが止まらなかった 結局早めに私に区切りを付けたかったんだ だから半年前辺から 徐々に離れようと 好きでも何でもない ただ私は暇つぶし相手だったんだ バカみたい
(石塚さん どうしたの?)
あまりに笑うから 気がおかしくなったと思われたようだ
ヨシ決めた 私会社辞めよう どうせ課長から嫌われたなら辞める覚悟してたし 同じ会社だから 顔遇わせる事もあるし
次の日会社に辞表を提出した…
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