脱力

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脱力

会社を辞めて 実家に帰ったのは辞表提出から一ヶ月後だった 毎日 毎日彼の事ばかり考えていた 彼は単身赴任と聞いた 行っちゃおうかな…余計嫌われるよね ストーカーだよね?会社で待ちぶせなんて 相当心が折れていた そんな時岡野さんから携帯に電話が入った 私に話したい事があるらしい 何だろ…彼が岡野さんに伝言?もう妄想が止まらない きっと彼は 私に直に伝えられず岡野さんに (香里に伝えて欲しい 俺は待ってるからと) きっとそうよ!彼は冷たい人間じゃない 私を邪魔にしない 仕方ないよね?出世掛かれば もう大丈夫… 明日岡野さんと喫茶店で待合せの約束をした そして待合せ場所 喫茶店 RAMへ向かった 岡野さんはもう来ていて 先にコーヒーを飲んでいた (あら あなた大丈夫なの?(やつ)れてるじゃない ご飯食べてるの?) (あまり食慾なくて 今日はお休みですか?) (何言ってるの 今日は日曜日よ) (あ…そうか 部屋にばかり居るから 曜日感覚なくて 所で話って?) (あなた課長と付き合ってたでしょ?) (……) 私は頷いた (あなたを見たら直ぐピンときた あなた課長目で追ってるし テンション高くなるし) (もうみんな知ってたんですね) (みんな?それは知らないけど) (だってみなさん 私を無視したみたいに…) (あなた会社に何しに来てたの?あの時は何月?みんなね年度末でバタバタなのよ 全く) (あ!そっか…) (課長とあなたの仲は誰も知らないと思う あのさ ハッキリと言って 課長は前もあったのよ 5年前だったかな 新入社員に手を出して 多分あなたに注意しても 聞く耳持たずだったでしょうね… 別れる時の手段は 妻にバレた なの?) (どうして岡野さんが知ってるんですか?) (それは 相談されたからよ もうね二度と妻帯者とは付き合わない事ね 自分で破滅するよ 男はね 下半身だらしない生きものだから それでもまだ課長信用してる?だったら 自分で確かめなさい) 岡野さんからメモ紙を渡されたのは 課長が住むマンションだった (絶対見つからないように じゃないとあなた警察に通報されるよ 分かった?自分の目で確かめる事ね)
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