忘却

接近

みんなで乾杯して 後は話に夢中…
(石塚さん 飲んでる？今日は沢山食べて飲んでよ 初めての忘年会だから)

(ハイ 食べます 飲みます 課長どうぞ)
お酌する手が微かに震えた

(ありがとう )
少し雑談をした課長は 他の人の所へと行った もっと話したかった…

その後誰かが二次会に行こうと言い出した

大先輩の岡野さんは
(明日早いのよ 子供のお弁当あるから あなた達楽しんで来なさい)
と言って先に帰った

大半がゴルフや用事ありで 残ったのは 佳奈先輩と男性3人 課長も帰るからと…少し残念と思い 居酒屋からカラオケに向かった

(寒いね 雪降るんじゃない？酔いも覚めるわ～)
歩きながら佳奈さんが言う
(本当…寒いですね あ！カラオケ見えて来た走りましょうか？)

(えー！！！待ってよ…香里ちゃん)
少し走ったからか 体がぽかぽかしてきた

部屋に入り飲み物とオツマミを注文し 歌曲を次から次へと入れていく

その時扉が開いた
(あ！課長…)
私はいっぺんに舞い上がった 曲入れたけど課長がいたら恥ずかしくて歌えない…

課長は私の横に座り 何か曲入れた？と聞いて来た
(ハイ…天城越えを…)
(お…渋いね 若いのに良く知ってるじゃん)
(課長 何歌いますか？)
リモコンを操作する私に 誰かが課長の十八番を言った