第1章 鬼王神社の宝玉

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「それにしても何やってるんですかね、あいつら」 「お泊り会に違いねぇ」親分が答える。 「あーそういや、幼稚園の頃やったなぁ懐かしい…」二が答える。 「こんな時にぶつかるなんてついてねーなー」一が言う。 「ふん、しょせんガキと女の先生だ、寝ちまえば起きねえよ」 「りょ、りょうかい…ぐー」 「お前らちゃんとしないと分け前やらんぞ!」  ──シャキーン! 背筋を伸ばす一と二。 「「了解しました。親分についていきます」」 「ふん! 」呆れ顔の親分である。  3人は神殿に置かれた御神体を盗みに来ているのだ、神をも恐れぬ不届者たちである。  実はある一部の泥棒仲間で、鬼王神社の御神体は有名だった。  ソフトボール大の宝石で、売れば何億にもなるらしい、それだけでなく、御利益は半端なく、手にした者は大金持ちになるという。  現に鬼王神社の氏子総代は大金持ちという話だ。  親分と子分一、二は無謀にもこの宝石を狙っているのだ。
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