第三章 契約 

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「馨……」  どんなに優しく抱かれても、どんなに甘く名前を呼ばれても、愛されてるなんて思っちゃダメ。  この人が欲しいのは私の身体。  私が欲しいのは共犯者。 「馨……」 「や…………あ……」  頭ではわかっていても、心は言うことを聞かない。  彼が私の奥に触れる度、嫌な予感がこみ上げる。  好きになんかなっちゃダメ――。 「馨……」  何度も名前を呼ばれて、何度も絶頂に導かれ、何も考えられなくなって。私はただ必死に彼にしがみついていた。 「雄大さ――」  雄大さん(共犯者)に――――。
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