第四章 理由

1/14
3735人が本棚に入れています
本棚に追加
/551ページ

第四章 理由

 ソファで終わった後、私はシャワーを浴びたいと言ったけれど、聞き入れてはもらえなかった。どうせまた、汗をかくからと。抱き上げられて、ベッドに連れて行かれた。十何畳かはある寝室には、ダブルベッドとサイドテーブル、天井高の本棚があった。 「ちょっと……待って……」  私の希望は何一つ聞き入れられず、下着すら身に付けていない私には抗う余地もない。部長の手が、唇が、私の全身に触れる。 「部長」 「呼び方」 「だって……」 「さっきは可愛く呼んだのに?」 「それはっ――」  私の言葉は雄大さんの口の中に飲み込まれた。 「……黛とキスしたのか?」 「は?」 「あいつはお前に触れたのか……?」  雄大さんの手が胸を包む。 「こことか……」  その手がゆっくりと身体を下り、おへそをなぞって脚の間に辿り着く。 「ここを……」  さっき見つけたばかりの私のイイトコロを指で擦る。
/551ページ

最初のコメントを投稿しよう!