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いくらなんでも図々しすぎるではないか。ネットカフェで泊まるくらいの余裕がある金額をもってきているのだろうから、そっちにすればいいのに。
一晩のホテル代を浮かせるために連絡を取ってきたというなら会うんじゃなかった。マキエはこのまま走って巻いてしまおうかと思うほど苛立った。だがそんなことをするほど体力に自信はない。
「ねえ、いいでしょう?」
アンナはそう繰り返してきたが答えることはなく歩き続け、チェーン店で割と安くそしてわりとおいしい居酒屋に入った。
こうしてお店に来るのは久しぶりだった。一人で入ることもなく職場の飲み会で飲むくらいなので、友達と来るのは新鮮だ。
だがクリスマスということをマキエは忘れていた。普段なら予約なしでも入れるお店だったが、今日は予約とその日の客で店内はあふれかえっていた。
さっきのファーストフード店ほどではないがいつもより油のにおいが濃く漂っている。
店員は本当に申し訳なさそうにしていたがその気遣いが届かいないくらいマキエの気分は最悪になり、仕方なくアンナと連れてコンビニにより家に帰ることになった。
マキエは1LDKのアパートに住んでいる。風呂とトイレは別なところはうれしいのだが湯舟は驚くほど狭く、体育すわりがやっとできるくらいの大きさしかない。
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