安全地帯はどこ①

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 そういえばこういういかにも女の子の服、ちょっとロリータ系の服がアンナは好きだった。高校生の頃雑誌で化粧とファッションを研究していたアンナを思い出す。  一方マキエは友達に会うにしても部屋着にしか見えないトレーナーともう数年履いているジーンズという格好だ。もちろん化粧はしていない。ファンデーションは塗っているがただ単に肌を守るためにしているだけだ。  漫画に出てきそうな典型的な目覚まし時計を見ると時刻は七時になろうとしていた。  アンナと会って一時間半は過ぎている。  住人の許しをもらうこともなくアンナは勝手にテレビをつけて、クリスマスの特番を流し始めた。  番組の内容ははやりの芸能人のクリスマスエピソードを人気の俳優が再現した特集もののようだ。  他人のしかも過去のクリスマスエピソードを聞いても楽しくもない。本当かどうかもわからないしこういうテレビでしている話は作っている人がいるのだ、とマキエはチャンネルを変えたかったがアンナがはしゃいで見始めたのでできない。  どうやら好きな俳優が出ているようだ。自分よりも五つ以上も年下の俳優にそこまでときめくことができるなんてマキエには考えられないことだ。  手を洗ってうがいをしていると「お、まじめだね」とアンナが続いて台所に立った。     
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