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やけに賑やかだなと思っているとテレビの音量を上げているらしい。人が一人増えただけでもにぎやかになるのに、とまたマキエの不機嫌さがます。
騒がしい音が苦手なのだ。だから音楽も好んで聴いたことがなく音楽フェスに行く人は狂人だと思っている。
マキエはテーブルにつくととりあえずエアコンを入れ電気ヒーターを付けた。
去年炬燵が故障してしまいそのままになっている。買うのも面倒で今年はなしで乗り切ろうかなと思っているところだった。
エアコンも電気ヒーターもお金がかかるのでできるだけ夏場は冷房を節約している。熱中症などを考えると危険だが都会で一人暮らしをする以上そうも言っていられないのだ。
「炬燵ないと寒くない?」
さっそく不満をもらすが無視をしてマキエはビニール袋からビールを取り出した。
乾杯をせずに飲もうとするとアンナが「ちょっとまって」と言って自分がもっているチューハイをコツンと当てた。別にいらないのに、と思いながらそれも無視してマキエはビールを飲む。
「飲んでもいいけど送ることもできないし、うちはベッドは一つしかないからね」
「一緒に寝ればいいじゃない。女の子同士なんだし」
「いやよ気持ち悪い」
「今日泊まるところ無いって言ったじゃない」
言ったじゃないといわれてもこちらは泊まることを了承していないのだけど。
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