許せない

「同棲したら、このマグカップ使おうよ！それまで開けちゃだめだよ」

「同棲するのに、何部屋もいらないね。ずっとくっついてたいもん」

「今、同じこと呟こうとした！運命だね」

「結婚したら、アイランドキッチンがいいな。譲れない！」

「結婚したら、新築がいいね。ゴキブリ嫌だもん」

「私もトマト大好き。私も魚介類大嫌い」

「お母さん、どんな人連れてきてもいいって。なんでもいいんだって」

「一緒に住んだら、犬飼いたいな。大好きなの、ヨークシャテリア。あなたも好きなの？　また一緒だね」

「また同じ物買ってきちゃったね。食べたいと思ったもの、一緒だね」

「あの芸能人性格悪そう。だよね、みんなはいい人だって言ってるけど」

「私小さいころ、水泳習ってたんだ。一緒？そうそう、平泳ぎが難しくて辞めちゃった 」

「私たち、出会うために生まれてきたんだね」

喧嘩などしたこともなかった。
喧嘩にもならなかった。

あなたは優しかったし、私も優しかった。

いくつも、同じを体感した。
同じ時間、同じタイミング、同じ好き嫌い。

私の嫌いな食べ物はあなたもきらい。
あなたの好きな食べ物は私の好物。

未来の話もした。