痣《あざ》のある女

深夜の道路

　スマートフォンには、誰かが「イイネ」を押した画像が転送されてきていました。

　それは女の腕の動画でした。
　眺めていると、女の腕にある赤い痣が、だんだんと濃くなっていくのです。

　そして痣がクッキリと浮き出たとき、聞き覚えのある女の笑い声が聞こえてきました。

　「ふふっ…。」

　バニラの香りが、私の背後から漂ってきます…。