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第二話 かかし
これもけっこう昔の話。
俺らの年代からずーっと受け継がれることになったので、きっと今の島民はみんな知ってるヤバい話。
うちの島には年中通して、結構たくさんのイベントがあって、その中に、子供行事である「亥の子(いのこ)」というイベントがある。
これは毎年11月15日になると、小学校1年から中学校3年までの男の子供たちが、自分たちの住んでる地区の公民館に一週間泊まり込み、木魚のよな御影石にたくさんのロープを結わえたものを持って、唄を歌いながら、各家庭の庭先を突いて回るもので、
今年1年の大漁豊穣を祝う意味がある大切な行事だ。
この時に、「灯明銭」という名目で、500円~の運営費を集めて回り、後に余ったお金を子供たちで位ごとに山分けする。
これが結構な額になり、「大将」と呼ばれる中二の子供で、大体20,000円くらい。
「後見」と呼ばれる中三の子供が、大体15,000円。
一番下っぱの子供でも3,000円は取り分が貰える。
だからみんな、毎年亥の子が楽しみで楽しみでしょうがなかった。
完全に大人は出入り禁止の子供行事。
大将を柱に、男の子たちだけで一週間ずーっと公民館に泊まり込み。
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