第二話 かかし

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肝だめし前には必ず、みんな集めて怪談をするんだけど、肝だめしになると俺は、毎年すっごい忙しかった。 だって、島中みんな知ってるほど、有名な霊感体質。 俺は小3から毎年肝だめしは免除。 まったく恐くなかったから。笑 各地区の大将に呼ばれては、自らの体験談を語って聞かせて回っては、大将すらビビらせていた。笑 その年も、自分の地区の肝だめしはほったらかしで3地区を回り、4地区目の西地区でみんなを泣かせ 笑 その夜は西地区の肝だめしに参加することになった。 その日のオーダーは簡単なもの。 長い長い階段のあるさびれた無人寺のお墓の上に、みかんを置いて来て、次の者はそれを持って帰る。 また次の者がそれを置いて来るというシンプルなものだった。 みんな俺の話にビビりまくりで、泣き叫びながら長い階段を、懐中電灯一本握りしめて歩いていく。 時々、上から叫び声が聞こえてくるのは、西地区大将であるナオキが、隠れて脅かしているからだ。 最後の一人がみかんを取りに行って、長い長い階段を泣きながら降りてくる。 小五のミツヒコだった。 俺たち大将がそれを見て、公民館に戻ろうと踵を反した時。 ミツヒコの様子がおかしいことに、西地区大将のアキヒロが気づいた。 「ミツヒコが…おかしい…」     
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