第二話 かかし

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両腕は水平にピンと伸ばされ 片足で立って居た。 頭は傾げられ、 目は完全に白目、 長い長い舌をだらーんと垂らして、 片足で立っているのに揺れず、 動きもしない。 まるで 十字架に貼りつけにされたキリストのようだった。 あまりの得体の知れない恐怖に、さすがの俺もビビって、声も出せず呆然としていると、 一緒に上がって来たみんなは、早々と泣き叫んで逃げ出して行った。 俺も恐怖だけに支配されて、恐くなってみんなのあとを追って逃げ出してしまった。 ナオキを置いたまま。 公民館まで、もうちょっとのところまで走って来ると、先に公民館に着いたはずのみんなが、泣き叫びながら逆に引き返して来た。 「なんや?! どうしたんや?」 泣き叫ぶアキヒロを捕まえて聞くと、ガタガタ震えながら、 「ナオキが…ナオキが…」 と言いながら公民館を指差す。 俺は急いで公民館に走って行くと、 「みんな何しとるん? なんでみんな泣きよるん?」 キョトンとした顔で俺に聞いてくるナオキが公民館に居た。 その後、ナオキに何を聞いても覚えておらず、ミツヒコもほとんど覚えていない。 こんな状況だったんだと、説明しても、本当に知らないの一点張り。 第一、境内から公民館までは一本道。     
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